空想科学少年




とろとろと重く熔けた瞼を気合と根性と似合わない負けず嫌いで持ち上げると、視界は青かった。なんだっけ、ガガーリン?地球は青かった。2001年宇宙の旅。もうとっくに過ぎてるけど。前時代の近未来、ナンセンスな空想科学小説も正直なとこ捨てたもんじゃないと僕は思う。世界は肯定的でプラス指向、悪いものな んてありはしない。聞け、僕は世界を愛している。あいしている。叫んだけものは狂った死刑囚で大量殺人を犯して服役していたとかなんとか、うろ覚え。どうでもいいんだけど、さ。
綺麗な青。描きたい。幾度となくそう思ってはそのたんびに失敗して口惜しい思いをしたのにやっぱり同じことを思う僕は我ながら未練がましい。地球の青を初めて見た件の彼はそう思わなかったのかな。あの頃はカラーテレビってあったんだっけ。三種の神器?駄目だ覚えてない。三年くらい前の記憶は曖昧で頼りになら ない。とりあえず僕がガガーリンに勝てたのは、眼前の青に指を差し入れ梳くことができること。地球は我が手に有り。
「ん…どした、むっき」
「ごめんヒュー起こした?」
「…もっかい寝る」
「ん」
ああ、ホントにチンケなSFだ。

20050625 23:11

事後じゃなく並んで寝てるだけ。
日本語が正しく発音できないヒューにもえ。

タイトルはご想像通り。