アテンションプリーズ。

BASARA初っ端第一陣から申し訳ありませんが、
露骨に死ネタです。
大丈夫、という方のみ下へ御進み下さい。

ブラウザバックプリーズ。






















































































ノーネーム



死んだ、と聞いて訪れたのは憤怒でも諦念でもなく、奇妙な安堵だった。
「…死んだ?」
「はい…。味方の軍勢を離れ、先んじて…敵本陣に向かわれました。我等が漸く突入した時…に、丁度掲げられたのです。光秀様の、御首が」
「見たのか」
「はい。ただ何分…場も混乱しておりまして」
「蘭丸が見てきてやる」
茫然とした男(顔は知ってる、光秀付きの家臣。興味はなかったが)の脇をすり抜け、馬を拾う。砂とそれからやっぱりざらついた別のものに汚れた顔を擦りながら、馬を駆る。収束を迎え始めた戦場は累々たる屍と不釣り合いな程に清閑としていた。
アイツが突出するのはいつものことだ。そんでもって適当に「遊んで」、飽きたら戻ってくる。それが、……だ?ぼくは、何を確かめようとしてるんだ。見てきて、報告するのか。信長様に、濃姫様に、家臣達に。見てきた事実を。報告。報告、そうだ戦局を報告しなきゃ。銀が光った気が、した。
「…マジかよ」
舌を打つ。
辺り一面の血腥い匂いはもう慣れてたけど、風が幾ら吹いても消えないその事実が烙印であるような気が時々する。寥々とした地面。敵本陣に繋がる荒地の真ん中に、そいつはぽつんと佇んでいた。
伏せた瞼、口元が歪んでいるのは気のせいだろうか。薄笑い。常日頃と変わらぬ表情に吐き気を覚える、だがその首を支えるのは血肉で出来た体ではなく木の棒だった。長槍の先端から長い銀の髪が絡み、柄を伝う血に見える。周囲に身体はない。運ばれてきたのかもしれない。その戦果を示すように。あんなヤツでも、名は知れてる、から。

「お前、死んだのか」
薄笑い。
「死んでんのか」
薄笑い。
「バッカじゃねえの」
薄笑い。
「迷惑なんだよ」
薄笑い。
「自分で好き勝手やっといてさ」
薄笑い。
「死んだんだ」
薄笑い。

返事は、ない。気味の悪い独り言もからかわれることも狂気じみた笑みもない。
そのことに、哀しみでも怒りでも諦めでもなく、胸の詰まるような安堵を覚えた。
光秀がもたらしたこのわけのわからない感情を、蘭丸がこう名付けてやる。



20050903 03:01
光秀×蘭丸?

二人は不仲ップルを通り越したバイオレンスカップルだといいと思う。

タイトルはアジカン。
UPするまで思いつかなくて結局フィーリングチョイス。