ヴェクサシオン


人を怒らせるのは楽しい。
僕の一挙一動に腹を立てたり呆れたり挙げ句深い息をついて諦めるという徒労を飽きもせず繰り返す男を眺めるのは本当に楽しい。
僕よりかは幾らか他人を怒らせるのが上手なアイツ(尤も彼の場合怒らせるという目的を持つが故の言動ではなく云ってみれば自然体なのだろう、或る意味最も厄介だ)があのひとを困らせたり怒らせたりする度に幾度となく腹を立てたりしたのだけれど。
毒づいて手首を掴む大きな手を振り払い背を向けて歩き出す、後ろから肩を引かれて強い力で身体が反転。婉然と微笑んでやればぶつかってくる、肩に掛かる手よりも強い感情。先輩は子供がそのまま大きくなったような人だと思っていたけどやっぱりそれなりの社会性とかいうものは身に付いていて、僕に手を上げる気はないらしい。その悔しげに若しくは哀しげに歪んだ顔に言葉をひとつ。頬が怒りで朱に染まったのに満足した。
人を怒らせるのは楽しい。


20050517 AM11:37
Wolfe × Thomas

授業中に殴り書いて放置してたブツ。
トムが 荒 ん で  る  ……  !

違いました。
荒んでるのは私です、ね。